「TikTokって、どこの国の会社が作っているの?」「会社のPCやスマホで使っても安全なのかな?」
TikTokは世界最大級のショート動画プラットフォームです。
その圧倒的な影響力から、ビジネスでの活用を検討する企業も増えています。しかしその一方で、運営会社の情報や安全性については、漠然とした不安を感じている方もいるかもしれません。
この記事では、TikTokの運営会社の正体から、日本法人の役割、安全性やセキュリティの問題について解説します。
これからTikTokを始める初心者の方にはもちろん、すでにビジネスで活用している上級者の方も、安心してTikTokを使っていけるように、運営会社の情報をチェックしてみましょう。
TikTokの会社とは|企業の概要とTikTok Japanについて

TikTokは、世界各地で親しまれているショート動画アプリです。運営は中国発のIT企業が担い、日本国内ではTikTok Japanが窓口となっています。
ここでは、TikTokの組織体制や運営の分担について詳しく紹介します。
TikTokの開発元は中国のByteDance社
TikTokは、中国のテクノロジー企業であるByteDance(バイトダンス)社によって開発されました 。
2012年に設立されたByteDanceは、AI技術を駆使したコンテンツプラットフォームを世界中で展開しており、TikTokはその代表的なプロダクトの1つです。
設立からわずか数年で世界有数のユニコーン企業へと成長し、その技術力とサービス展開の速さは世界中から注目を集めています。
親会社ByteDanceの企業概要
ByteDanceは「Inspire creativity and enrich life(創造性を刺激し、人生を豊かにする)」という目標を掲げるグローバル企業です。2024年時点での企業評価額は約3000億ドル(約46兆円)に達すると報じられ、その規模の大きさがうかがえます。
動画編集アプリの「CapCut」やライフスタイル共有アプリ「Lemon8」なども同社が手掛けており、単なる動画アプリの会社ではなく、多様なプロダクトを持つ巨大テクノロジー企業としての側面を持っています。
日本版TikTokはTikTok Japanが運営中!
日本国内におけるTikTokの運営は、日本法人である「ByteDance株式会社(通称:TikTok Japan)」が担当しています。
オフィスは東京都渋谷区の渋谷ヒカリエなどに構えており、日本市場に特化したコンテンツ展開やマーケティング活動を行っています。
TikTok Japanではその年に最も活躍したクリエイターを表彰したり、特典をプレゼントしたりなど、ユーザーを楽しませるイベントを多数開催しています。
こうしたユーザーが楽しめる環境づくりは、世界的にも注目を集めています。
TikTokの会社は安全?運営企業の所在地から調査

TikTokを運営している企業が信頼できるかどうかは、所在地や法人情報を確認することで判断できます。
ここでは、登録情報や拠点の所在地をもとに、企業の実態を見ていきます。
外資系運営企業にユーザーは不安を持つ?利用の前に規約を要チェック!
TikTokを利用する上で、どのようなデータが収集され、どう利用されるのかを理解しておくのは大切なことです。
TikTokのプライバシーポリシーによると、ユーザーが提供するプロフィール情報に加え、視聴履歴、IPアドレス、位置情報、デバイス情報などが収集されます 。
データ収集は、ユーザーに最適化されたコンテンツを推薦するために利用されますが、意図しない情報まで収集される可能性への懸念も指摘されています 。利用を開始する前に、必ずプライバシーポリシーに目を通し、どのような情報が収集対象となるか自分自身で確認しましょう。
世界各国におけるTikTokへの規制動向
TikTokのデータ管理体制は、世界各国で安全保障上の懸念から厳しい視線を向けられています。
特に米国では、ユーザーデータが中国政府に渡るリスクを問題視し、運営元のByteDance社に対して米国事業の売却を求める法案が可決されるなど、規制の動きが活発化している様子です。
また、インドではすでに使用が禁止されており、カナダやEU諸国でも政府機関での利用を禁止するなどの措置が取られています。2025年6月現在、日本ではTikTokの利用を全面的に禁止する法律はありません。
日本でもこうした国際的な動向を踏まえ、規制に関する議論が行われていますが、アメリカのように、国全体での利用を禁止しようという動きには今のところなっていません。安全に利用していくためにも、議論は今後も続けられるでしょう。
ビジネスとしてTikTokを利用する場合、こうした情勢にも気を配りながら、アプリ上での情報の取り扱いに充分気を付けていきましょう。
ビジネス活用をしたいときに気を付けたいセキュリティ対策
企業がTikTokを公式アカウントとして利用する場合、個人での利用以上に、厳重なセキュリティの上運営していくことが大切になります。具体的には、アカウントの乗っ取りを防ぐために、推測されにくい強力なパスワードの設定と、二段階認証の有効化は必須です。
また、従業員による個人情報の誤投稿を防ぐため、明確なルール作りが有効です。撮影場所の選定や映り込みについてルールを定め、複数人でのチェック体制を整えましょう。
基本的な対策を徹底し、情報漏洩や意図しないトラブルのリスクを最小限に抑えましょう。
TikTok|運営会社への問い合わせ方法一覧

TikTokに関する問い合わせは、アプリ内の報告機能や公式フォームから送信できます。ここでは、運営会社への連絡手段を紹介します。
【公式】TikTok Japanへの連絡方法
一般ユーザーがアカウントの不具合などで問い合わせたい場合、電話での専用窓口は設けられていません。基本的な問い合わせは、アプリ内のヘルプセンターから行います。
プロフィール画面のメニューから「設定とプライバシー」へ進み「問題を報告」をタップすると、チャットボットや報告フォームを通じて問題を送信できます 。また、一般的な質問は「feedback@tiktok.com」宛にメールで送ることも可能ですが、返信には時間がかかる場合が多いようです。
【ビジネス向け】広告種類・パートナー契約に関する問い合わせ方法
広告出稿や企業としてのパートナーシップに関する問い合わせは、一般ユーザーとは別の窓口が用意されています。「TikTok for Business」の公式サイトにアクセスし、ヘルプセンターからチケットを送信する形で専門スタッフに相談できます。
また、広告マネージャーの管理画面からも直接問い合わせが可能です。企業向けのセールスチームの電話番号も公開されていますが、こちらは広告出稿やパートナー契約に関する相談窓口となります。
【事前にチェック】TikTok内でトラブルがあった際の問い合わせ方法
不適切な動画やコメント、なりすましアカウントなどのトラブルに遭遇した場合は、直接報告する機能を使うのが最も迅速です。
報告する方法は以下のとおりです。
- 動画・コメント・ダイレクトメッセージを長押しする→「報告する」を選択
- アカウントはプロフィールページのシェアボタンから「報告する」を選択
著作権侵害に関しては、専用のオンラインフォームから詳細な情報を送信して申し立てる必要があります。手順を覚えておき、問題を発見した際は冷静に対処しましょう。
企業アカウントを始める前に知っておきたいこと

TikTokで企業アカウントを運用するには、一般の個人利用とは異なる準備が求められます。
ここでは、運用前に押さえておきたい基本知識をまとめました。
広告・ライブ配信・ギフトによるマネタイズ手法
企業がTikTokで収益を上げる方法は多岐にわたります。最も直接的なのは、TikTok広告プラットフォームを利用して自社の商品やサービスを宣伝する方法です。
また、LIVE配信中に視聴者から贈られるギフト(投げ銭)も、直接的な収益源となります 。さらに、フォロワーが1,000人を超えるとプロフィールに外部リンクを設置できるようになるため、自社のECサイトや商品ページへ誘導するアフィリエイトマーケティングも有効な手段です。
最近では「TikTok Shop」機能も登場し、アプリ内で商品の発見から購入までを完結させることも可能になっています。
企業がTikTokを活用する際の利点と注意点
企業がTikTokを活用する最大のメリットは以下のとおりです。
- コンテンツがバズった際の爆発的な拡散力
- 他のSNSではリーチしにくい若年層へ効率的にアプローチできる
一方で、注意すべきは炎上リスクの管理です。TikTokユーザーは企業からのあからさまな広告を嫌う傾向があるため、エンターテインメント性やユーザーにとっての有益性を意識したコンテンツ作りが大切です。
また、投稿内容が意図せず批判を浴びる可能性も常に念頭に置き、コメント欄の監視や迅速な対応体制を整えておきましょう。
運営会社を理解すれば社内の合意形成にもつながる
企業としてTikTokの運用を始める際、障壁となるのが「運営会社が中国企業である」という点です。この不安を払拭し、社内で円滑に合意を得ていくためには、客観的視点で情報を共有していくことが大切です。
例えば、日本のユーザーデータはシンガポールや米国などのデータセンターで管理されていることや、日本法人が国内事業を運営している事実を説明します 。
運営会社のグローバルな体制やデータ管理の方針を正しく理解し、説明責任を果たすことが、大切です。
導入前に確認したいリスクとその対策
TikTokの企業利用には、情報漏洩、著作権侵害、従業員の不適切投稿による炎上など、様々なリスクが伴います。
リスクを低減するためには、導入前に具体的な対策を講じておくことが不可欠です。
まずは以下の方法で対策していきましょう。
- 投稿内容は必ず複数人でダブルチェックする
- コメント欄は定期的に監視(パトロール)する
- 万が一炎上が発生した際の対応手順をマニュアル化しておく
事前にリスクを想定し、対策を準備することで、問題発生時の損害を最小限に抑えることが可能です。
競合他社のTikTok活用状況をチェックしよう
自社でTikTok運用を始める前に、同業他社やベンチマークとしたい企業がどのようにTikTokを活用しているかを分析しましょう。どのようなコンテンツがユーザーから高い指示を得ているのか、どのような失敗が見られるのかを調査することも大切です。
分析には、TikTokのビジネスアカウントに無料でついてくるインサイト機能のほか「exolyt」や「Social Insight」といった外部の専門ツールも役立ちます 。
競合の成功と失敗から学ぶことで、自社が取るべき戦略の解像度を高めることができます。
まとめ|TikTokの運営会社を正しく理解し企業活用を成功に導こう

今回は、TikTokの運営会社であるByteDanceの概要から、安全性に関する議論、そして企業が活用する上でのポイントを解説しました。TikTokが中国企業によって開発されたグローバルプラットフォームであるという事実は、特にビジネスで利用する上で、データ管理やセキュリティに関する懸念材料となりえます。
しかし、日本法人の存在や世界各地にデータセンターを設置するなどの対策も講じられています。重要なのは、情報を正しく理解し、いたずらに不安を煽るのではなく、適切なリスク管理を行うことです。
運用マニュアルの整備やセキュリティ対策を徹底し、プラットフォームの規約を遵守すれば、企業はTikTokの持つ強大な拡散力とエンゲージメントを安全に活用できます。
運営会社の全体像を把握し、信頼できる情報に基づいて社内の合意を形成することが、TikTok活用を成功させるための第一歩となるでしょう。